ここは私という人間の思考によって生み出された数々の文章を保管しておくところです。 コメント等いただけるとありがたいです。
時の忘れ物 ~記憶の片隅に忘れ去られた一筋の光~
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予報省告知
2005-07-21-Thu  CATEGORY: 昔書いたもの
2003年11月14日作成

この小説のタイトルおよび構文は海野十三の同名の作品より引用した。

世界暦2004年11月4日
アメリカは北朝鮮に対し軍事警戒を解く旨の最終通知を布告

世界暦2004年12月23日
態度を改めない北朝鮮に対しアメリカは宣戦を布告。全面戦争が予想される。

世界暦2005年1月6日
攻撃的な態度を崩さないアメリカに対しフランス・イギリス・ロシアの連合国が議会において質問状を提示。

世界暦2005年1月19日
あくまでも北朝鮮に対する攻撃の手をゆるめないアメリカに対し今度は中国並びに韓国が警告文を布告。

世界暦2005年2月15日
各連合国間で嫌悪感の続く中、ついに第三次世界大戦が勃発。日本はあくまでもアメリカとの友好関係を維持。これに対し中国が警告文を提示。

世界暦2006年1月27日
各連合国間の抗争は日増しに悪化し、ついには世界人口の7%が死滅。

世界暦2006年4月2日
世界は今や崩壊の危機にある。前年より勃発した第三次世界大戦による被害はその後次第に世界各地へと広がり、また各地において二次的な冷戦や紛争が起こっている。

世界暦2006年8月12日
状況の一変しないまま、ついにアメリカは北朝鮮に向けて2発の核ミサイルを発射した。

世界暦2006年8月13日
中国はこの核ミサイルによる被害が自国にまで及ぶ事を懸念し、午前11時、議決により対核ミサイルを発射した。これによってアメリカの放った2発の核ミサイルはミッドウェー島付近で墜落し、その後巨大なキノコ雲が舞い上がった。ただ、これによって放射能汚染の被害がハワイ諸島まで及ぶ結果となった。

世界暦2006年12月23日
北朝鮮はあくまでもアメリカとの友好関係を破棄しようとしない日本に対し、最後通告を出した。

世界暦2006年12月29日午後2時10分
ついに痺れを切らした北朝鮮は日本に向け長距離弾道ミサイル「テポドン4」3発を発射した。

世界暦2006年12月30日午前11時36分
北朝鮮の放った長距離弾道ミサイル「テポドン4」はその後1発は東京に、1発は札幌に、残りの1発は鹿児島に向かって飛び続けた。
そのうち札幌と鹿児島のミサイルについては苫小牧と長崎のミサイルベースより発射された迎撃ミサイルによって日本海に撃沈された。ただ、東京に向かった1発については、福井のミサイルベースに運悪く迎撃ミサイルが無く、岐阜の軍事拠点から輸送された後発射されたが、その時点ではかなり近付いており、迎撃地点は佐渡島沖300mとなった。

世界暦2006年12月30日午後12時10分
福井のミサイルベースより発射した迎撃ミサイルは無事佐渡島沖300mにて撃沈した。ただ、このとき内部の弾薬が暴発し、迎撃地点より半径500mに渡って甚大な被害を催した。

世界暦2007年1月2日
北朝鮮のミサイル攻撃により一部に被害をおった日本は、自国に反撃能力がないため、同盟関係にあるアメリカに北朝鮮への反撃を委託した。
世界暦2007年6月12日
鼬ごっこのようなミサイル攻防が繰り返されている中、ついに北朝鮮が発射した核ミサイルが対核ミサイルを回避し、アメリカニュージャージー州付近に命中し、巨大なキノコ雲ととともに半径30kmが焼け野原と化した。

世界暦2010年9月1日
5年に及ぶ冷戦と抗争の末、第三次世界大戦は次第に沈静化していった。だが戦争の残した傷跡はあまりにも悲惨だった。
世界中の主要都市が瓦礫の山と化し、郊外や田園地帯においてもやはり被害は甚大だった。そして、今回の戦争でもっとも大きい被害は世界各国が放った核ミサイルによる放射能汚染である。
汚染係数は各主要都市において、かのチェルノブイリ原発の数倍から数十倍と高濃度で、さらに核による世界人口の減少は著しく、かろうじて生き残った者も高濃度の放射能に長時間さらされるうちにその殆どが死滅。
今や世界人口は大戦勃発前の3%にまで減少している。

2050年12月2日
放射能の汚染は大戦後の70%にまで減少した。だが地球上の全ての放射能汚染が無くなるには気の遠くなるような年月を要する。
世界人口は大戦前の6%まで回復したが、放射能汚染によって格段に 生殖能力が落ちているため上昇の角度は緩やかに続く。ここに来て人間の持つ生理学の識量のなさがネックとなっている。
大戦より以前、生理学は人体実験による見知を残すのみとなった。だが、これには文部科学省や厚生省が倫理的云々とうるさく言うためこれを実行しないままでいた。だが今になってやはり人体の全てを知るには生体による実験及び見知が必要であると痛切させられるのだ。

世界暦2070年12月3日
世界人口は10%まで回復したが、ここに来て新たな問題が浮上。
水道システムの復旧が未だ滞っているため人々は雨水や川の水を飲む以外にのどの渇きを癒すことは出来ない。
事態が変化しない中、ある生物学研究所の瓦礫に降った雨水の中に、非常に毒性の強いある種の細菌が川に流れ込んだのである。
これを知らない人々はのどの渇きのために汚染された川の水を飲み、次々と死滅していったのであるが、次第に川の水は有害であるという事が見知され、現在では川の水を飲む者はいない。
又、ここに来てある種の試みを実行に移す人間が出てきた。
その試みとは、自分の脳を脳符号化装置(ブレインエンコーダ)にかけてコンピュータに自分の脳をコピーする者である。彼らはその装置群を運良く残った地下研究所の中で見つけ、これを試行した。
この地下研究所は災害に備え、地下発電所を持っている(さらにその地下発電所は原子崩壊発電式のため原料は地球上の全ての物質を使用可能なのだ)ため電力には事欠かない。
コピーした彼らの脳は脳符号化装置(ブレインエンコーダ)と接続されたコンピュータの中で永遠に生き続ける。
事終えた後彼らは手に入れられるだけの瓦礫を持って地下発電所に向かい、廃物を利用した装置でもって瓦礫を自動供給する構造を作った。
彼らの行動は誰の目にも異常と思えたが、後に世界人口の14%(といっても世界人口は大戦前の10%に減少している)が自らの脳を電子化したが、多くの人は、やはり彼らを異常視している

世界暦2150年12月4日
世界の状態が僅かずつ良好に向かっている事もあり世界人口は大戦前の15%にまで回復した。
だが、世界全体が瓦礫の山となった今ではネズミ1匹を取り合って殺し合いが起こるほどの食糧難に陥っている。それでも繁殖力の強い雑草やネズミなどは増え始めてきている。そんな中ある事態が人間を破滅に陥れた。それはかつての放射能汚染により突然変異し、毒性の強い(砒素の数十倍)植物が大発生したことだ。しかもその植物は栄養価が高く、なおかつ生でも十分食べられる。以前の人間なら研究によって毒性が強いことを見知し、食べることはないだろう。
だが現在は極度の食糧難と、加えて崩壊状態の都市のため人々は研究などすることなくこの植物をむさぼった。
すると当然の如くこれを食べた人は死に絶え、世界人口が3%にまで減少して、ようやくこの植物が有害であるという事が分かったのである。さらに追い打ちをかけたのが突然変異によって生殖能力のない人間(女性男性ともに)の発生である。彼らは子孫を残すことが出来ないため自分の代で死滅する。しかもこの生殖能力のない人間が出来る割合が緩やかな上昇傾向にある。

世界暦2330年10月5日
今や世界上にはたった10人の人間しか存在しない。
有害植物の繁殖の後やはり生殖能力のない人間の出来る割合は増加し続け、ついには全人口の70%にまで増加した。それによって世界人口は大戦前の0.000000025%に減少。現在10人の人間の内繁殖能力のある男女は僅か2組しかいない。この二組の子どもの内何人が正常な繁殖能力を持つかは不明である。
又、かの地下研究所では電子化された脳が静かにうごめいていた。
山のように積まれた瓦礫燃料は、殆ど消費されていない。これもこの原子崩壊発電方式の発電所が高い効率を誇っていることによるものだ。

2380年6月3日
二組の男女の間にはそれぞれ一人ずつ子どもが生まれた。だが、残念なことに二人とも繁殖能力がなかったのだ。
しかも運の悪いことにこの出産の後一人は過労の為死亡し、もう一人も、子宮内膜症にかかり出産不可能となってしまったのだ。
そのため現在いるこの11人が地球上の最期の人間となった。その後老人だった1人が死に絶えた。これにより世界人口は10人となった。
だが地下には、大戦前の1.3%に及ぶ人間の意識が眠っている。
彼らは意識の世界で新たな都市を築き、そこに定住している。
10人の人類は意志を決め、地下研究所に入り、自ら脳を電子化していった。

2450年3月1日
ついに地球上で最後の1人が死んだ。
瓦礫の山の間からは未だに例の毒性の強い雑草がはびこり、強靱化したネズミがあたりをはい回る、暗黒の世界と化した。又、核戦争により空中に舞い上がった大量の粉塵は、この頃になってようやく薄れてきた。
2500年1月3日
地下発電所で問題が発生した。かつて人間たちが瓦礫を自動供給するために作った装置が故障した。
主な原因は、廃品利用だった鉄製の軸が先日起こった地震の際に折れてしまい、モーターからの回転を歯車やベルトコンベヤーへ伝えることが出来なくなった。
炉の中にはまだ多くの瓦礫が入っているため今後数百年はもつだろう。だが炉の中の瓦礫を使い果たすと、もう供給することは出来ない。今やこの地球上に住民は彼ら電子人間以外にはいないのだ。
しかもこの装置群を開発した研究者たちは、この仮想空間から現実空間への何の出力をも付加していない。
つまり仮想空間からは現実空間の瓦礫一つ動かすことは不可能なのだ。そのため炉の中の瓦礫を使い果たすと当然発電所は機能しなくなり、彼らの中枢ともなるコンピュータに供給する電気はストップし、電源を断たれたコンピュータは当然機能を停止する。
そうすると彼ら仮想民は永遠の眠りにつくことになるだろう。
しかも彼らは外の世界を見ることが出来ないのでこの事態を知ることはない。何の告知もなくいきなり仮死状態となる運命にある彼らはどんな心境なのだろうか。

世界暦2830年12月5日
ついに炉の中の瓦礫は尽きた。と同時に発電器はぴたりと止まり、コンピュータへの電源は断たれた。
彼らは再び電源が供給されるまでの間、意識を停止する。
だが、この地球上には炉に再び瓦礫を供給する者はいないのだ。

世界暦6500年1月5日
世界は理想郷(ユートピア)のような形相をなしていた。
地球上から生きた人間がいなくなって四千年と少したったのだろうか。皮肉なことに人間がいなくなってからは自然が勢いを増して回復していき、100年も立つと緑豊かな楽園となっていったのだ。
堆く聳え立っていた瓦礫の山は、今や新緑の緑あふれる小山と化し、あの毒の強い雑草は、いつの間にか絶滅していた。
はじめのうちはネズミなどの繁殖力の強い生き物だけがいたが、それでも次第に鹿や、魚や、鳥や、さらには熊までも、かつてのように生息している。だがそれらの生き物は、やはりかつていたものとは似ても似つかないようなものが多い。
特に海は汚染がひどく、かなり後になるまで小魚一匹いなかった。
それでもやはり、地球の持つ自然治癒力によって、長い年月を掛けて次第にもとの状態に戻っていった。
地下では、依然止まったままの発電所が静かにたたずんでいた。

  当予報省が予測した結果は以上のようになった。
  世界規模で和平を保たなければこのようになる。
 
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